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なまもののさけび

とりあえずつらつらとかきつらねます

06.01.10:41
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  • 06/01/10:41

01.31.16:09
再録・定期考査戦争 5

このシリーズの「犬猿」はこの二人。


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その時のスペルビ・スクアーロは、傍目から見れば遊んでいるように見えたかもしれない。
「・・・・・」
彼が先程から睨んでいる一枚の紙。書かれているのはあみだくじであった。そのあみだくじの線を、赤ペンでなぞっては先にあるものにマルを付け、紙の端に何やらメモし、を繰り返しているのである。
「合コンの席順でも決めてんのか?」
隣の机でパソコンをいじっていたガンマが紙を覗き込みながら言った。
「う゛お゛ぉい、てめぇじゃねーんだぞぉ」
「俺はあみだじゃなくて当日決める派だから。で、そんなもんで何やってんだ?」
「問題作ってんだよぉ」
「問題?お前、テスト作り終わったって言ってなかったか?もう三日前だからそろそろやばいぜ」
「定期考査じゃねぇよ。次の小テストだぁ」
「あぁ、そっちね」
定期考査が終われば、すぐに通常の授業に戻る。考査期間中は他の仕事をしている暇がないため、小テストの問題作りや授業の準備は考査前に終わらせておかなければならない。が、テスト一枚作るのも結構手間なのである。
「テキストのこっからここまでに出る単語でやるんだけどよぉ、候補あり過ぎで選ぶの面倒臭ぇからあみだにしてんだぁ」
受け持ちの授業の合間を縫っての作業であるから、あまり時間をかけたくないのが正直なところだった。もたついていると、今度は次の単元の準備が間に合わない。ついでに言えばスクアーロの辞書に「仕事の持ち帰り」はないわけではないのだが、何分本人が嫌がっているのでないも同然である。
「見た目通りのズボラだな・・・O型だろ」
「余計なお世話だぁ」
「こんな超ランダムな選び方で作ったテスト、ちゃんとテストとして機能するのか?」
「平均点とか難易度は考慮してるぜぇ」
「あみだに凝ってる時間があったら普通に選んだ方が早くないか?」
「だからうるせぇって言ってんだぁ。あーあ、現社は楽でいいよなぁ?」
「まぁな。現文よりは随分負担がない」
「う゛お゛ぉい、てめぇ今笑ったろ」
「元々こういう顔なんでね」
「嘘吐けぇ。正直に言いやがれこの野郎」
そんな下らない言い合いをしているとーー

ぽん、と

二人の肩を同時に叩いた者があった。
「ん?」
「あぁ?何だぁーー」

「君たち、五月蝿いよ。少し黙ってようか。特に現文教師」
ブリザード張りの冷たい笑みを浮かべた雲雀が、背後に立っていた。


「で、追い出されたわけか」
ふう、と煙を吐き出して獄寺が言う。
「ったく、あの野郎いつもは職員室なんか来ねぇくせに・・・タイミング悪過ぎだぁ」
「でも、実際お前声でかいから結構響くぞ」
「仕方ねぇだろ、生まれつきなんだからよぉ・・・つーか、いつ来ても煙草臭ぇなここ」
二人がいるのは、休憩室。校内で(おそらく)唯一教師の喫煙が許可されている場所である。勿論生徒は入れないので、愚痴を零すのにはもってこいの場所だった。
「お前、煙草吸いすぎると早死にするぜぇ」
「なんかもう手遅れな感じだけどな」
「まだ二十幾つだろぉ?お前」
「ああ、今年で二十五だな」
「この学年は、わりかし平均年齢低いよなぁ」
「二十代三十代が多いからな・・・」
「三年なんて、オッさんとジジイばっかだろぉ?」
「あっちの学年主任は今年で定年らしい」
「世代交替ってわけだぁ」
こんな話をしながらも、スクアーロはさっきのあみだくじをまだ持っている。机に置かずにやっている所為で、赤ペンの線が先程と比べかなり歪んで引かれているが、辿り着けば良いということで本人は気にしていないらしい。そして、それもどうやら最後の一本らしかった。
「・・・えーと、『滑稽』と。よっしゃ終わったぜぇ!」
スクアーロは紙に走り書きでメモをすると、四つに折り畳んでポケットに押し込んだ。


「邪魔するよ」
獄寺が何本目かになる煙草を灰皿に押し付けて消した時、ドアが開いてガンマが入ってきた。
「う゛お゛ぉい、何でてめぇが来るんだぁ」
「そりゃこっちの台詞だぜ?雲雀に追い出されたのはお前の所為だろ」
「んだともっぺん言ってみやがれぇ」
「はいはい、もう良いだろ・・・あんたらいい年して騒ぐなよ」
溜息をつき、獄寺が仲裁に入る。
「う゛お゛ぉい、てめぇはどっちの味方だぁ?!」
「どっちでもねぇよ。また騒ぐと雲雀がくるぞ」
「お前さんは無駄に声がでかいからな」
「アンタも乗るなよ黙ってろ」
「はいはい。あーあ、若いってのはいいねぇ」
「んなこと言ってると老けるぜぇ」

定期考査まで あと三日。しかしその三日が異常なくらいに長く感じられる。自分の精神力はどこまで持つのだろうかとか、なんか最近ストレス溜まってきた気がするとか、思っているのは決して一人だけではないに違いない・・・と三人はそれぞれ頭の中で思っていた。実際こうして、似たようなことを考えていた。
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