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なまもののさけび

とりあえずつらつらとかきつらねます

05.30.14:17
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  • 05/30/14:17

01.27.22:48
再録・定期考査戦争 2

再録第二話。
登場人物の理系率が高い話ですが、緑川が文系な所為で大したこと書いてません。



※返信
>飛龍さん
原作でも獄寺は数学やってるイメージがあるもので・・・教師の時は眼鏡を推奨します。
そしてお仕事の方、頑張ってくださいませ。

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化学物理室、生物室、理科準備室。
七不思議や怪談話ではお決まりの舞台であると同時に、 もしも学校に寝泊まりしなくてはならなくなった場合には一番避けられるであろう理系の特別教室が集まっている「理科棟」と呼ばれる建物がこの高校にはある。「学校の理科室」といえば、薄気味悪い部屋という印象を持っている人が多い。硝子戸の向こうの実験用具、壁に貼られている何かの断面図、人体模型、カエルの内臓の標本ーーー


ーーーなどなどに囲まれた生物室で、生物教師グロ・キシニアは水槽の中のイカに餌をやっていた。伝手があって知人から手に入れたもので、体色変化の観察に使うために数日前からこの水槽に入れてある。大きな水槽の中で半透明のイカが泳いでいる様は、寿司屋の生け簀にも見える。だからというわけでもないが、勝手にイカを持って帰る不届きな輩(主に独り身の教師)がいないとも限らないので、餌やりついでにこうして数を確認している。見てみた限り、どうやら刺身にされてしまったイカはいないようだった。
餌をやり終えると、グロは手を洗って手袋をはめ(いつもつけている)、生物室をあとにした。



「あれ、珍しいじゃない」
レジの向こうでクロスワードパズルを埋めていた白蘭が顔を上げた。
「グロ君、食堂にも購買にもあんまり来ないよね」
「ええ」
「あ、そこのマシマロ新しく入れた奴なんだけど良かったら買ってってよ」
「生憎ですが、食品を買いにきたわけではありませんので」
言って、100円と値段のついているノートを一冊と千円札を渡す。
「美味しいのに・・・うわ、100円の物買って野口英世出しちゃうの?グロ君お金持ちー」
「10円玉10枚で出しましょうか?」
僅かに目元を痙攣させて、皮肉っぽく返す。白蘭はちょっと肩をすくめて笑い、
「冗談だってば。ハイ900円おつり」
小銭をグロの手のひらに押し付けると、手元に置いてあった袋からマシュマロを一つ摘んで口に入れ、クロスワードパズルを解くのに戻った。


「やばいことになった」
グロが職員室に入って自分の机に座るなり、隣の机からスパナ(物理・化学担当)が言った。
「やばい?何がやばいというのだ」
「ウチが持ってる七組の化学の授業、振替休日と進路ガイダンスの所為で潰れたから全然足りない」
「何故それを私に言う」
「生物はもうテスト範囲終わってるって聞いたから、二時間ほど譲って欲しいんだけど」
「待て待て待て、いきなり言われてもこちらの事情というものがあるのだぞ?!」
「主任に相談したら、生物分けてもらえって言われたから」
「なっ・・・雲雀の奴め勝手に・・・!」
学年主任(絶対権力)に言われてしまえば、抵抗のしようがない。グロは(顔を引き攣らせながら)今週一時間と来週一時間の授業をスパナに譲ることにした。

スパナとの会話を終えたグロが机の上のパソコンに向かったその時、
「ちょっといいかしら」
顔を上げると、サングラスと目が合った。
「グロ先生に頼みたいことがあるんだけど」
彼(彼女?)はルッスーリア。四組担任の英語教師である。グロの受け持つ五組と隣なので顔を合わせることは多いが、別段親しくしているわけでもない(とグロは思っている)。そもそも担当科目が違うので、会話がずれる(とグロは思っている)。
「頼みたいこと?」
「来週の月曜の授業、一時間欲しいんだけど」
グロは思わずずっこけた。
「ホラ、先週振替入ったじゃない?二時間潰れちゃって結構キツいのよ〜。来週末がテストでしょ?月曜でギリギリなの」
「何故私のところへ頼みにくる!さっきコイツに二時間くれてやったばかりだ!!」
ずっこけた拍子にずれてしまった眼鏡を直し、スパナの方を見るグロ。
「ウチは主任に言ったら生物貰えって言われて・・・」
「アラ、じゃ私も言ってこようかしら」
「余計なことを言うなスパナ!!」
「一時間くらい良いじゃないの〜グロ先生の授業は考査の少なくとも一週間前には絶対範囲が終わるってみんな知ってるのよ〜?」
「ギャー!近い近い顔が近いっ!!それ以上寄るなーっ!!」
今にもキスを食らわせそうな距離まで迫ってきたルッスーリアに、思わず叫ぶグロ。ちなみに、スパナはもう自分の作業(パソコンに向かって物凄い速度で文字を打ち込んでいる。テスト問題を作っているらしい)に戻っていたので助けてはくれない。
「・・・し、仕方がない・・・一時間だぞ」
「きゃー助かるわぁー。ありがとっ」
「だ、だだだ抱きつくな!」
ルッスーリアの熱烈なハグから脱出しようともがくグロだったが、体格差には勝てなかった。視界の片隅で、スパナが一心に作業をしている。自分もそろそろ問題の最終決定をしなければ・・・その前に、ここから脱出しなければ、とグロはジタバタともがきつつ心中で盛大に溜息をついた。



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