05.30.15:42
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01.26.23:17
再録・定期考査戦争
件のアレの再録です。
拍手掲載時のものに若干修正を入れてあります。
第一話からカオスワールド全開。
学生の本分は勉強であるなんてどこの誰が言ったのかは知らないが、定期考査つまりテストの時期になるとほとんどの生徒がその言葉を思い出したように勉強を始める。それは自分の成績を伸ばそうという健全な考えだったり、留年はしたくないからという凡庸な考えだったり、人それぞれであるから確実なことは言えない。
ただ一つ言える事があるとすれば
テストが修羅場なのは生徒だけではないということである。
獄寺隼人は焦っていた。
定期考査を来週に控えた忙しい時期ではあるものの、自分の担当する授業はテスト範囲を終えていた。しかし、焦っていた。別にテストのことで焦っているわけではない。原因は一体何なのかといえば簡単なことでーーー
【並盛線 25分遅れ】
駅構内の電光掲示板に、忌々しい文字が点滅している。
「こんな時に限って遅延かよ・・・」
勤務する高校に電車で通っている獄寺にとって、ダイヤの乱れ以上の敵はない。通常授業時であればまだ時間に余裕はあるのだが、今日は違う。朝の時間帯を利用して、二学年の教員会議があるのだ。しかも今日はまさに定期考査の打ち合わせをするという予定で、学年副主任である自分が遅刻でもしたら面目が立たないどころの話ではない。もっと恐ろしいことを言えば、校内最強と謳われる二学年の学年主任・雲雀恭弥に何を言われるか(されるか)判ったものではない。過去に、手違いで校内の備品を破壊してしまったどこかの教師が、破損した備品と同じ目に遭わされた話は職員内で有名である。
「・・・あそこまで路線バスは通ってねぇし、やべーな・・・」
呟きながら辺りを見回したその時、見慣れたシルエットが目に入った。
腰下まで届く長髪。同じ学年の現代文教師・スクアーロだった。そういえば彼も電車を利用していたか、と思い出しつつ獄寺はスクアーロの方へ歩み寄った。
「25分遅れは痛いよな」
「お?あぁ、そういやアンタもこの路線だったかぁ」
「これじゃまず間違いなく雲雀に折檻受けるぜ・・・」
「だな。ったく、車通勤の奴らが羨ましーぜぇ」
「どうすんだ、これから」
「仕方ねぇ、腹ぁ括って運転再開を待つしかねーなぁ」
「やむを得ねーよな、これじゃ」
二人の教師は顔を見合わせて、苦笑した。
「・・・・」
その様子を、少し離れた場所から見ている人物がいた。黒髪のおかっぱに丸みのある眉が古風な雰囲気を醸し出している。幻騎士、獄寺達と同じ高校の古典教師である。彼もどうやら、電車運転見合わせの犠牲者らしい。幻騎士はしばらくじっと時刻表を見ていたが、やがて二人の元へと歩いていった。
「ん?・・・あれ、幻騎士じゃねーか?」
「あぁ?何でいんだぁアイツ」
「幻騎士も電車か、そういや」
「う゛お゛ぉいマジかよ・・・」
幻騎士の姿を見つけた途端、げんなりするスクアーロ。同じ国語系の教科を扱っているためよく顔を合わせるのだが、はっきり言ってポーカーフェイスな上に必要以外のことをほとんど喋らない幻騎士が、スクアーロは何となく苦手だった。それを知っているのか否か、幻騎士は二人のそばへくるとおもむろに言った。
「電車待ちか」
「ま、そんなとこだな」
肩をすくめて獄寺が答える。
「三人か・・・他に電車使ってる奴、いたか?」
「ルッスとグロは車族だろぉ?」
「スパナはチャリ通だって聞いたぜ」
「で、雲雀が住み込み・・・あと誰だぁ?」
「・・・ガンマ?」
「そういやぁ、アイツどうやって学校来てんだぁ?」
「ガンマは自転車だ」
首を捻っていた獄寺とスクアーロに、幻騎士がさらりと答える。
「へー・・・って、自転車ぁ?!」
「似合わねー・・・!」
ガンマは、二学年の現代社会教師である。教師としての手腕のみならずホストと言っても通じそうな甘いマスクも手伝って、生徒からは定評がある。自転車通学に縁遠そうに思われて当然とも言える人物であった。
「なんか想像できねーよなー」
「ママチャリだったりしたら相当笑えるぜぇ」
「マウンテンバイクだ」
「誰も聞いてねーぞぉ!」
「あ、見てみろスクアーロ」
獄寺が指差した方には、【並盛線 運転再開】の文字があった。どうやら、やっと復旧したらしかった。
「会議に遅れてくるとは良い度胸だね君たち」
極寒の笑みを浮かべた雲雀が、職員室の前で三人を迎えた。会議は、10分ほど前に終了していた。
「電車が遅れているのは僕も知ってたけどね、他に何か方法を考えるとかいっそ車を買うとか何かないのかい?」
「そうは言ってもだな・・・」
「問答無用。言い訳は見苦しいよ」
「う゛お゛ぉい、不可抗力だぜぇ?」
「だから何だって言うの」
「何って、そりゃ・・・」
こうして不毛なやり取りが交わされ、結局電車三人組は雲雀から、テスト答案の一括印刷作業をノルマ二倍で行うことを命じられた。とりあえず物理的制裁がなくてよかった、と獄寺は内心安堵していた。
「で、誰がコレやんだぁ?」
「三人で分担するに決まってんだろーが」
「う゛お゛ぉい!俺、自分の方の用紙の印刷終わってねーんだぜぇ?勘弁してくれっての」
「我侭を言うなスクアーロ」
「てめぇに言われる筋合いはねぇ麿眉」
その日の放課後、印刷室で談笑(?)しつつ仲良さげ(?)に仕事をしている三人が目撃された。
拍手掲載時のものに若干修正を入れてあります。
第一話からカオスワールド全開。
学生の本分は勉強であるなんてどこの誰が言ったのかは知らないが、定期考査つまりテストの時期になるとほとんどの生徒がその言葉を思い出したように勉強を始める。それは自分の成績を伸ばそうという健全な考えだったり、留年はしたくないからという凡庸な考えだったり、人それぞれであるから確実なことは言えない。
ただ一つ言える事があるとすれば
テストが修羅場なのは生徒だけではないということである。
獄寺隼人は焦っていた。
定期考査を来週に控えた忙しい時期ではあるものの、自分の担当する授業はテスト範囲を終えていた。しかし、焦っていた。別にテストのことで焦っているわけではない。原因は一体何なのかといえば簡単なことでーーー
【並盛線 25分遅れ】
駅構内の電光掲示板に、忌々しい文字が点滅している。
「こんな時に限って遅延かよ・・・」
勤務する高校に電車で通っている獄寺にとって、ダイヤの乱れ以上の敵はない。通常授業時であればまだ時間に余裕はあるのだが、今日は違う。朝の時間帯を利用して、二学年の教員会議があるのだ。しかも今日はまさに定期考査の打ち合わせをするという予定で、学年副主任である自分が遅刻でもしたら面目が立たないどころの話ではない。もっと恐ろしいことを言えば、校内最強と謳われる二学年の学年主任・雲雀恭弥に何を言われるか(されるか)判ったものではない。過去に、手違いで校内の備品を破壊してしまったどこかの教師が、破損した備品と同じ目に遭わされた話は職員内で有名である。
「・・・あそこまで路線バスは通ってねぇし、やべーな・・・」
呟きながら辺りを見回したその時、見慣れたシルエットが目に入った。
腰下まで届く長髪。同じ学年の現代文教師・スクアーロだった。そういえば彼も電車を利用していたか、と思い出しつつ獄寺はスクアーロの方へ歩み寄った。
「25分遅れは痛いよな」
「お?あぁ、そういやアンタもこの路線だったかぁ」
「これじゃまず間違いなく雲雀に折檻受けるぜ・・・」
「だな。ったく、車通勤の奴らが羨ましーぜぇ」
「どうすんだ、これから」
「仕方ねぇ、腹ぁ括って運転再開を待つしかねーなぁ」
「やむを得ねーよな、これじゃ」
二人の教師は顔を見合わせて、苦笑した。
「・・・・」
その様子を、少し離れた場所から見ている人物がいた。黒髪のおかっぱに丸みのある眉が古風な雰囲気を醸し出している。幻騎士、獄寺達と同じ高校の古典教師である。彼もどうやら、電車運転見合わせの犠牲者らしい。幻騎士はしばらくじっと時刻表を見ていたが、やがて二人の元へと歩いていった。
「ん?・・・あれ、幻騎士じゃねーか?」
「あぁ?何でいんだぁアイツ」
「幻騎士も電車か、そういや」
「う゛お゛ぉいマジかよ・・・」
幻騎士の姿を見つけた途端、げんなりするスクアーロ。同じ国語系の教科を扱っているためよく顔を合わせるのだが、はっきり言ってポーカーフェイスな上に必要以外のことをほとんど喋らない幻騎士が、スクアーロは何となく苦手だった。それを知っているのか否か、幻騎士は二人のそばへくるとおもむろに言った。
「電車待ちか」
「ま、そんなとこだな」
肩をすくめて獄寺が答える。
「三人か・・・他に電車使ってる奴、いたか?」
「ルッスとグロは車族だろぉ?」
「スパナはチャリ通だって聞いたぜ」
「で、雲雀が住み込み・・・あと誰だぁ?」
「・・・ガンマ?」
「そういやぁ、アイツどうやって学校来てんだぁ?」
「ガンマは自転車だ」
首を捻っていた獄寺とスクアーロに、幻騎士がさらりと答える。
「へー・・・って、自転車ぁ?!」
「似合わねー・・・!」
ガンマは、二学年の現代社会教師である。教師としての手腕のみならずホストと言っても通じそうな甘いマスクも手伝って、生徒からは定評がある。自転車通学に縁遠そうに思われて当然とも言える人物であった。
「なんか想像できねーよなー」
「ママチャリだったりしたら相当笑えるぜぇ」
「マウンテンバイクだ」
「誰も聞いてねーぞぉ!」
「あ、見てみろスクアーロ」
獄寺が指差した方には、【並盛線 運転再開】の文字があった。どうやら、やっと復旧したらしかった。
「会議に遅れてくるとは良い度胸だね君たち」
極寒の笑みを浮かべた雲雀が、職員室の前で三人を迎えた。会議は、10分ほど前に終了していた。
「電車が遅れているのは僕も知ってたけどね、他に何か方法を考えるとかいっそ車を買うとか何かないのかい?」
「そうは言ってもだな・・・」
「問答無用。言い訳は見苦しいよ」
「う゛お゛ぉい、不可抗力だぜぇ?」
「だから何だって言うの」
「何って、そりゃ・・・」
こうして不毛なやり取りが交わされ、結局電車三人組は雲雀から、テスト答案の一括印刷作業をノルマ二倍で行うことを命じられた。とりあえず物理的制裁がなくてよかった、と獄寺は内心安堵していた。
「で、誰がコレやんだぁ?」
「三人で分担するに決まってんだろーが」
「う゛お゛ぉい!俺、自分の方の用紙の印刷終わってねーんだぜぇ?勘弁してくれっての」
「我侭を言うなスクアーロ」
「てめぇに言われる筋合いはねぇ麿眉」
その日の放課後、印刷室で談笑(?)しつつ仲良さげ(?)に仕事をしている三人が目撃された。
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