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なまもののさけび

とりあえずつらつらとかきつらねます

05.28.13:18
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  • 05/28/13:18

12.04.01:09
草稿


やすを書くのは難しいなあ、と色々な意味で思っていたのですが、島さこと一緒にしたら、なんだか自分の中ですとんと落ちたので、ひとまず台詞のみ。メモ同然なのであしからず。





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「天下を統べるとか……そんな力、ないくせに」

「どうあろうとも、ワシに嘘を吐きとおさせてくれないのだな、お前は」

「あんたがそんなことすんのって、何のためなんだよ」
「三成様のため、じゃねーんだろ」
「あんたが天下を取るため、でもねーんだろ」
「豊臣に天下を取らせないため、なんだろ」
「だからって、そんな」
「そんなイカサマ、ありなのかよ」

「天下を豊臣に渡してはいけない、と思っていないと言えば嘘になる。しかし、ワシが統べなければ、とも思っている。これは本当だ」
「しょうもねー奴しかいないから?」
「そこまでは言っていないぞ」
「じゃあ少しは、そう思ってんだ」
「手厳しいな」
「あんたみたいなのが今まで、平気な顔してやってこられたのがオカシイんしょ」

「なんでみんなは見えねーんだろ」
「眩しい光は、直視するのが難しいものだ。目をやられる、と本能的に察するからな」
「俺は目を逸らさない」
「お前の目は、特別だよ。刑部にも、ややその気はあったが」

「あんたがいつから“そう”だったか、きっと三成様は覚えてねーんだ」
「忘れた方がいいこともある。見えない方がいいことも、ある」
「あんたは度を超えてる」
「お前の中では、だろう?」
「あんたの中でそう考えられるだけだろ」

「笑顔はいいものだ……と、多くの者が思っている。だからやってこられた、とも言える」
「笑えばごまかせると思ってんのかよ」
「ごまかすのではないよ。笑っている、と相手が受け取れば、それでいいんだ」
「泣き顔や怒り顔を、すすんで見たいと思う者は少ないだろう?」
「卑怯者」

「そうやってみんな……三成様も、ずっと騙してきたんだろ」
「素直だからな、あいつは。見たものを見たように受け取る」
「俺はそういうの、許さねーから」
「許しを求めるつもりはないさ」
「俺は、許さない」

「三成様と一緒に、豊臣を支えたってよかったはずだろ」
「考えてみればその通りだ。しかし、考えつけなかった」
「それがおかしいだろ。なんでだよ。なんで、そんな簡単なこと」
「わからない」
「ごまかすんじゃねえよ」
「本当に、わからないんだ。豊臣と……三成と離れなければと、何度考えても、そうとしか考えられなかった」
「変だって、そんなの」
「ワシは一体、何に従って動いているのだろう」
「それが絆とかいうヤツじゃねーの」
「絆がそうさせているのならば、ワシは何なのだろうな?」
「俺が知るかよ、そんなの」

「いまのあんたの姿……あんたには、どう見えてるんだ」
「落ち込むのはやめた……が、きっとなにひとつ、変わってはいない。ただ、それらしく振舞う努力はしている」
「落ち込んでんのを、人に見せるのをやめた……だろ」
「そんな顔をしないでくれ」
「どんな顔してんだよ、俺」
「とても、かなしい顔を」

「ワシが演じているのは、絆が求めた徳川家康なんだろうか」

「見たくねーと思ったって、俺には見えちまう。あんたが演じるのをやめない限り」
「他の者には見えなくて、お前にしか見えない、だろう?」
「目ェつぶれって言いたいんっしょ」
「そういうことだ」
「俺は目を逸らさない、って言ったろ」
「困ったな」
「困れよ。もっと困れ」

「人に見せたくない姿、お前にもあるだろう?」
「そうならねーように、生きると決めた。三成様みたいに。カッコイイ姿でいられるように。見せたくないものを隠さなくていいように」
「ワシは……ワシは、そんなふうには、いられない」
「どうして」
「わからない」
「わからないんじゃねーよ、きっと。わかりたくねーから、わからないフリしてるだけだ」
「そうだろうか」
「わかったら、あんたきっと、今のまんまじゃいられないから」

「もっと、困れよ。困って、泣けよ。泣いて、泣いて堂々としてろよ。かなしい、くるしい、って堂々と言えよ。なんでそれができねーんだよ。かなしいけど、くるしいけど、それでも立つんだって、そうやってこそのカッコよさだろ。泣いてるのをコソコソ隠す方が、ずっとカッコわりーよ。痛いのごまかして強がって、気遣ってもらえるの撥ね退けて、ひとりでみじめにメソメソしてる方が、全ッ然カッコわりーよ。そんなの、強くもなんともねーじゃん」

「あんた、なんでそこまでするんだよ」

「なんで、そんなに強いフリしなきゃならねーの……」

「左近……泣かないでくれ」
「知るもんかよ」
「困ったな」
「嘘。困ってなんかいねーくせに」
「困ってるよ。どうしてお前は泣いてるんだ」
「俺だってわかんねーよ」
「なあ、泣かないでくれ」
「無理だっての」
「ワシまで泣きたくなる」
「泣けよ。泣けばいいだろ」
「泣けないよ、少なくとも人前では」
「何でだよ。泣けよ。泣くのが子供の仕事だろ」
「ワシは子供じゃない」
「そう思ってんのはあんたと、あんたが騙してるこの世界だけだ」

「俺は、子供にしか見えねーよ、あんたのこと」
「なんで大人のフリしてんだよ、子供のくせに」
「みんなのこと騙して、大人の中に紛れ込んで」
「大人ナメんじゃねーよ、畜生」
「まだまだ、育てよ。もっと時間かけて、ちゃんと大人になれよ」
「力もついてねーのに、大人と喧嘩しようとすんなよ」

「信長公も、義元様も、秀吉公も、三成も」
「みんな、大人だったから」
「大人になるしか、なかったんだ」

「子供じゃ、いられないんだ」
「乱世を終わらせる徳川家康は、子供じゃいられねぇんだ」

「そんな徳川家康、やめちまえ」

「おめぇは、なんでそうやって、すぐに怖いことが言えるんだ」
「一度死んで、生まれ変わったから」
「みんながおめぇのように出来ると思うなよ」
「やってみなけりゃわからねーだろ。賭けだ。賭けなんだよ」
「そんな賭けって、ねぇだろ……」
「賽の目は決められなくてもさ、振る賽はあんたが選べるんだ。選べるはずなんだ」
「おめぇは本当にそれを、自分で選んだのか?」
「俺はそう思ってる。信じてる。だから、迷わない」
「ワシは……ワシは、自分で選んだつもりの賽も、実は誰かに決められてるんじゃねぇかと」
「考えるな、そんなこと」
「盤ごとそれを壊すしかねぇのだと」
「考えちゃだめだ」
「盤を壊すには、力が足りねぇのだと」
「もう、考えるなって」
「だから、大人になるしか」

「なあ……大人って大変だろ、坊主」
「子供だって、楽じゃねぇんだぞ……」
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