05.30.01:46
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11.30.23:58
夜泣き貝
「よく泣くおっさんだなァ、おい」
「誰がおっさんじゃ」
「もちっと身綺麗にすりゃいいのによう」
「ふん、どうせ泥だらけになるんだ。手間をかけるだけ無 駄ってもんさ」
「勿体ねえな、そこそこ男前なのに」
「そこそこって言うな」
「アァン? 俺の方が男前だろうがよ」
「はいはいお前さんにゃ負けるよ」
「そんなアンタにこれをやろう」
「何だこれは」
「何って、夜泣き貝だよ」
「おかしな名前の貝だな」
「……アンタ案外もの知らねえんだな。瀬戸海にゃごろごろいるぜ」
「海育ちのお前さんと一緒にせんでくれ。で、それをどうするんだ? 食うのか?」
「違ぇよ。こいつは夜泣き封じのまじないものさ」
「生憎、小生はそういうものの効力を毛ほども信じてないんだがね」
「馬鹿にしちゃいけねえよ。どんなに夜泣きのひどい赤ん坊でも、こいつを枕元に置きゃあ ピタリと治まるってんだから、スグレモノだぜ」
「結構なこった。で、そいつはお前さんが言うところの『おっさん』にも効くのか?」
「試してみる価値はあんだろうがよ」
「……ああそうかい。勝手にしてくれ」
「勝手にさせてもらうぜ」
「……小生が泣いたところで、お前さんに何の迷惑がかかるわけでもないだろうに」
「何か言ったか?」
「つくづくお前さんは馬鹿みたいにお人好しだと言ったんだ」
「馬鹿みたいなお人好しはアンタだろ」
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