05.30.14:17
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05.22.01:08
穴熊は
むじなの正体と言われたり何だり。憑き物の一種だそうな。
追記から、官親短文。
むじなは祟るんだろう、と言って、携えた碇を(本人は槍だと思って扱っているのだろうがどう見ても碇だ)肩に担ぐと、長曾我部元親は土埃にまみれたそれを踵で軽く蹴った。
「祟られんように殺せばいいじゃないか」
「殺しゃ化けて出るんだろう、貸し一つで生かした方がいいさ」
そんなんだから甘い甘いと言われるのだ、と喉まで出かかった言葉を飲み込む音は呻き声でごまかした。
「それとも何だい。あんた、死にたがりなのか」
「どうだかな」
「死にたくねえとツラに書いてあるぜ。ま、どんな理由で喧嘩売ってきたのかは知らねえが、どこへでも行きな。俺の目の届かないところへ」
それは、次に会ったら殺すということだろう、と聞いてしまいたくなるのを堪えながら、できるだけ不敵に口元を歪めてみせると、元親は何を勘違いしたのか、白い歯を見せて満足げに笑った。
元親の言う通り、黒田は別に死にたくてたまらないというわけではない。ただ、何の前触れも因果もなく塵芥にまみれたまま無為に死んでいくのはごめんだと思っていた。自分を殺すものがあるとしたら、一応の納得をする理由を持ったものでなければならない。不十分であれば、こちらが向こうを殺すだけだ。
「もう来るなよ」
潮風に流され気味な呼びかけに、また来るよ、と口の中で返事をした。
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