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なまもののさけび

とりあえずつらつらとかきつらねます

05.30.15:42
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  • 05/30/15:42

01.29.18:22
再録・定期考査戦争 3

ミルフィオーレ率100%
黒:白=2:1



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数日来続いていた晴天も、今日こそ機嫌を損ねたらしい。自転車通勤にはあまり嬉しくない空模様である。
「参ったね・・・」
廊下の窓からしとしとと雨のふる校庭を見下ろしつつ、ガンマは溜息をついた。学校から家まで歩いて帰れなくもないが、生憎今日は傘を持って来ていなかった。まさか今日に限って雨は振るまいと高をくくったのが悪かったか、それともお天気お姉さんの言うことを無視した報いだろうか。
「・・・そういや購買にビニール傘があったな」
ふとそれ思い出して、ズボンのポケットに財布が入っていることを確認すると(鞄に入れてきていたら一度職員室に戻らねばならない)窓際から離れた。




「いらっしゃーい」
カウンターの向こうから、白蘭が気の抜けた声を出した。余程暇なのか、手にはエアキャップ(プチプチマット)を持っている。
「傘、あったよな?」
何でコイツは見る度にいつも暇そうにしているんだ、と思うがそれは言わない。
「100円のと500円のがあるけど、どっちが良い?100円のはただのビニール傘、500円のはわりかしちゃんとした傘」
「100円の方で構わない」
言って、カウンターに硬貨を一枚置くガンマ。
「はいはい。ちなみに色はどうするの?」
「色?」
「そうそう」
言いつつ、白蘭はカウンターの下から傘を何本か取り出した。
「今さぁ透明のが品切れでね、赤とピンクと紫しか残ってないんだよねー。500円のは黒か紺だけど」
「じゃあ500円の方」
ガンマの気が変わるまでその間実に2秒であった。(そういうことは最初から言えこの白髪葱、と口に出しては言わなかった。)使うのが今日一回限りだったとしても、流石にそんな可愛らしい色の傘をさして帰るのは気がひけた。ガンマはカウンターに出した百円玉を引っ込めて、代わりに五百円玉を一枚出した。
「まいどありー」
白蘭は硬貨をレジスターにしまって、エアキャップ潰しに戻った。ガンマが購買の扉を開けるのと同時に背後でブチブチとエアキャップの潰れる音がした。いっぺんに捻り潰したらしい。



買ったばかりの傘をさしてガンマが校門を出て行こうとすると、後ろからマウンテンバイクに乗ったスパナがやって来た。
「自転車置いて帰るのか?」
「この雨だからな・・・お前、それで帰ったら濡れるぜ?」
「ああ、それは大丈夫だ。ヘルメットもあるし」
「服の話をしてるんだがな」
「このツナギ、防水だから」
「ああそう・・・って、そんな話初耳だぞオイ」
「そうか?」
何でも、今日は予報で降水確率が高かったので防水加工のされたツナギをあらかじめ着て来たのだと言う。スパナならではの技であった。
「合羽着るのは面倒だし、脱ぐのも面倒だからツナギを防水にすれば良いかなと」
「なるほどね。流石にスーツじゃそうもいかねえな」
ある程度防水機能があるといっても、雨ざらしでは布地が傷んでしまう。こういう面ではツナギは便利だとガンマが思っていると、
「ガンマも次からツナギにすれば?」
さらりとスパナが言った。
「いや、遠慮しとくよ。ガラじゃない」
「確かに。キャラも被るし」
「なら言うなよ」
そのまま何となく、適当な話をしながら交差点の信号まで一緒に行った。
「そういえば、お前テスト問題作り終わったのか?」
「あと配点考えて終わり。ガンマは?」
「八割方出来てるってところだな。応用も入れたいからその辺を今日家でやろうかと思ってね」
「ウチは前回の出来が結構良かったから半分応用にした」
「お前それ苦情がくるぞ・・・」
「告知はしたから平気だろ、多分」
前方の信号が青に変わった。
「じゃあ」
軽く手を振って、スパナがペダルを漕ぎだす。ツナギ姿が、横断歩道の向こうへ遠ざかっていった。そしてそのあとから紺色の傘が、新品らしく景気良さげに水を弾きながら悠々と歩いていった。
雨足は、まだ弱まらない。自転車通勤組は明日も傘のお世話になるかもしれない。防水ツナギの彼を除いて。
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